眠くて途中で嫌になったまま、
ひと月もたったようです。わあ。

キングクリムゾン!!←スタンド攻撃的な意味で

嫌なこともいっぱいあるけど、
とりあえず元気です。

それで「GCと質量分析計はもう古いのではないかという疑惑」なんですけど(やるんだ)。
もう去年のことのように思いますが、
ドン・ウィンズロウが突然読みたくなって、集めたのです。
ドン・ウィンズロウというと、
創元推理文庫の『ストリートキッズ』シリーズが有名です。
私はノンシリーズのが好きで、角川文庫の三冊はもう神です。
『ボビーZの気怠く優雅な人生』なんて、
初読時は「ちょっと軽いなあ」とか思っていたのですが、
ちっともそんなことはなく、
「父と子」テーマの超大作だわ!
と思いました。
「子」が中学生以下ならば、
「父と息子」「父と娘」「母と息子」「母と娘」どれもいけると思いますが、
一番好きなのは「父」関係かと思いました。
『ストリートキッズ』も一番好きなのは、
ニールがグレアムに探偵を仕込まれているところ!!
グレアムが掃除術を伝授するところ!!
ブリロのたわし!!(ブリロってダスキンのようなもの?)
おそらく一子相伝とか古今伝授とかに弱いのだと思います。
でも「子」が出来すぎていて、「父」は今お父さん修行中…、
みたいなダメ親父、若父などもいけると思います!
ボビーZはそんな感じかなあ。
女に母性愛は本能と言われるように、
男にも父性愛が生まれながらに備わっているのではないかと思わせるような、
へなちょこティムの大活躍なのでした。
かわいいぞ!

えと、で。
『ボビーZ』も良かったし『歓喜の島』も大好きなんですが、
目から鱗ったのが『カリフォルニアの炎』!!
実はあまり印象に残っていなかったのだけど、
なんてこったの面白さでした。
なんか最近そういうの多い。
なんか最近にほんごがおかしい。
大人になったからかなv(?)

まあそんなことはどうでもいいんですけど。

『カリフォルニアの炎』ドン・ウィンズロウ/東江一紀訳/角川文庫
主人公のジャックが、生命保険会社のサラリーマンです。
チノパン2本、ブレザー2着を所持。
1着は常にクリーニング、もう一方を着用。
シャツは5枚で日曜日にまとめて洗濯。
…涙をさそわれます。
靴は一足(泣)。でもいい靴。
趣味はサーフィン。月~金働いて土日サーフィン。
『歓喜の島』のウォルター・ウィザーズ(この名前すき)のお父さんもそうなんだけど、
ジャックのお父さんも人生に(それはつまりローマ人的に言って仕事に)、
哲学を持っていた人で、
子どもたちはその薫陶を受けて育っています。
この哲学がまたかっこよくてね!!
なんでウィンズロウのお父さんはいちいちかっこいいんだろう!!
ウォルター父の、
というかむしろウォルターが「息子の方のウィザーズ」なんですけど。
「仕事に就いて初めの内は、2、3時間はやく出勤して仕事を覚えろ。
残業することもできるが、それでは仕事ができないと思われるか、
ごまをすっていると思われる。
早く出勤すれば、
後から来た人には自分の5分前についたのだと思わせることができる」
とか泣いたなあ。すげえー。
「多くの人は休みの前の日には早く帰りたがり、
次の日には仕事をしたがらないものだが、
休みは始まる時に始まり、終わる時には終わっている。
早く始まりもしなければ、遅く終わることもない」
とかは笑った。そうだけど(笑)。
ジャック父の教えでは、
「仕事する時は仕事しろ。
そうすれば残った時間はお前のものだ。
何をしていても文句は言われない。
自分の稼いだ金で遊ぶんだからな」
とかは本当にそうだと思いましたよ!!
勤務時間外に仕事させる上司は阿呆だと思いましたよ!!

なんか素敵なんですよ。
主要登場人物もいちいち素敵。
『歓喜』だとCIAの魔王とか、
『カリフォルニア』だと失火ベントリーとかが素敵です。

それで。
ジャックは火災保険の調査官をしています。
保険会社の調査官というと、
お昼の二時間ドラマにでもありそうだけど、
あんなおおざっぱなものではなく、
もっとずっと科学的で細かいのです。
いやお昼の二時間ドラマでも細かいのあるんだろうけど。
そんな時間に家にいないからわからん。
あくまでもイメージですが。
ジャックはわざわざ火について学ぶために学校に入ってね。
あんな学校ほんとにあるのかなあ。
消防士さんのための学校なんだと思うけど。
ここの学校シーンがまた良くてさ!
変物教授の言うことがいちいち素敵。
実地訓練は宇宙軍士官学校の、
嘔吐ガス充満部屋へ気密服着て入っていくシーンみたいだった。
仲間を信頼し、助け合うことが大切なのだというところも一緒。
面白いのよ~。

以上が、
「GCと質量分析計はもう古(以下略)。
えー、また明日にでも続きを。
なんか「お父さんは素敵だ!」みたいな話になった。
今は塩野七生先生の『ローマ人の物語』に夢中で、
こないだトライアヌスが死んじゃったので、
今度からハドリアヌスです。
これはまた今度語る。
実は佐藤賢一『カポネ』を衝動買いしてしまい、
これも読まなくちゃなのです。
電車通勤になった最大にして最後の利点は、
読書時間が確実に確保できるということですね。
寝よう~。

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