(恩田陸/毎日新聞社/2006年3月20日)
オビ「情熱のドラマ、開幕!/あたしはあなたと同じところに行きたい。/舞台の上の、暗がりの向こう。そこには何かかが隠されている。どこまで行けばいいのか?どこまでいけるのか?/恩田陸が放つ、熱狂と陶酔の演劇ロマン。」

伝説が生まれる瞬間に5回くらい立ち会ってしまいました。僕たちは何度もこの瞬間を思い出すことになるだろうっていう。
ひつじさん、読んで!はやく読んで!すぐ読んで!明日読んで!(無茶云わない)
いや〜。おもしろかった。
確かに『ガラスの仮面』でした(笑)。
「芝居の練習の場合、梅の木になれとか椅子になれとか言う奴もいる」という台詞が出てきた瞬間にまにま笑ってしまいました。確信犯なんだろうなー(笑)。
芸能界のサラブレッド東響子と、本能で演じる佐々木飛鳥。伝説的演出家芹澤泰次郎、二十年ぶりの舞台。
そんでアレです。二人の王女とか、紅天女とかの、オーディションがすごく面白いではないですか。むしろ時々本番より面白いよね(笑)。
そのすごいオーディションがですね、いっぱい読めるのですよ。わくわくしますよ。どきどきしました。オーディションで二人の女優が火花を散らすというのも読めたし〜v
劇団つきかげの普段の練習も読めます。風になったり、りんごを奪ったりします(笑)。
その時々のライバルたちも、響子さんをおびやかすほどの存在感を持って登場しています。あおいさんが乙部のりえほど活躍できなかったのは残念です。葉月ちゃんはすごくて好きだわ。
そこへ脚本家の脚本への考えとか、演出というものとか、いろんな立場の人の話が絡んできておもしろいの〜v
演出家は黒沼先生です。一癖もふたクセもアリ。
脚本家が視点のひとつになっているのが、恩田さんだなあというか、作家さんだなあという気がしました。二人出てきて、どっちもいい人。片方が今まさに紅天女を書き出そうと…(笑)。

ノリが良くておもしろいー。マヤ的飛鳥ちゃんは、絶対に読者の期待を裏切らない演技を披露しなければならないわけですが、裏切ってませんし。
紫の薔薇の人が居ないのが残念でしょうがない。
お花はあれなのかな。オマージュとかいうやつなのかな(笑)。

これはしかし、まさしく恩田陸。516ページかかって話が始まった。すばらしい。続きが読みたい。でもなくてもいい。あー!面白かった!
ひとつ引っ掛かったのは、飛鳥ちゃんの来歴を突然恩田さんが語り始めてしまったところ。あのまま語らないで残しておいたら、ただの天才少女になってしまうからだめなんだろうけど、語り方がなんだか唐突な感じがして、上下巻にしちゃって、うまく溶け込ませたら良かったのにと思ったり。
単に長く読んでいたかったからそう思っただけでしょうけども(笑)。
とにかくとてもおもしろかったv
未読の恩田陸を全部手に入れねば!『ねじの回転』はどうかしら。ちょっと避けているんですが。『ロミオとロミオは永遠に』が手元にない上、どこの倉庫へ保管してるのか覚えてないー!あれ未だ読んでなかったのに!あんなレーベルは近所の本屋にないからすぐに読めない!
あと何があるかな。三月シリーズは結構読んでない。とりあえず『ドミノ』の文庫を買ってきたのでこれから読みますvこの話だいすき。

コメント

でんきひつじ
でんきひつじ
2006年3月29日12:23

あめんぼあかいなあいうえお!ってな感じなんですね、『チョコレートコスモス』。そこまで『ガラスの仮面』なのか。ただいま図書館で予約待ちです。正座して待ってるところ。
『ガラスの仮面』、私は『二人の王女』と『たけくらべ』が好き。洗濯機回してると「うぉーたぁー!」と叫びたくなったりもする。

『ねじの回転』は同じ226事件ものなら、宮部さんの『蒲生亭事件』の方が良く出来てた記憶があるなあ。面白くなくはなかった。

早月
早月
2006年3月31日1:30

話が似ているとかそういうのでなく、雰囲気が、「マヤ、仮面をかぶるのよ!」という感じです。ホントホント面白かったよ!
私は亜弓さんの吸血鬼カーミラとか、奇跡の人がすき。亜弓さんがすきv
洗濯機で奇跡の人しちゃう貴女がすてき(笑)。

蒲生亭と回転を両方買ってきて、回転から読もうと思います。