初雪。
2005年12月18日夕べは雪が降るという噂を聞いてはいたものの、月は冴え冴えと明るく、空は藍染の手拭のように隅々まで晴れ渡っていたので、「降りゃしないだろう」と思ってご飯食べたりストーブにあたったりしてのんびりいろいろ片付け、サテ帰るかと外に出てみたら吹雪いていた上、道路うっすら積もってたから叫び出そうかと思った。
「降るにしたって雰囲気程度じゃないのー?なんと云ってもここは都会だ!」
そう信じていたオノレの浅はかさを思い知りました…。考えてみれば去年雪が降ったって恐れおののいていた山際だって大阪府の一部には違いない…。
なんか大阪というだけで隅から隅まで都会という気がいたしませんかー?都会は雪が降らないような気がしませんかー?24時間電車が走ってるような気がしませんか〜?
わたし、むかし、東京って24時間電車が走っているって信じてた。なんでって、都会だから。
真実を知って人は大人になるのね。
そんなわけで夕べは久しぶりに30キロで恐々原付運転しました。転びませんでした。主よ、わたしはやってのけました。
聞くところによると、雪国育ちの人は50センチの積雪の道をノーマル80キロで走ってひと冬に7回くらい死にそうになってこそ雪国育ち!
らしいですが、私はそこまで本場の雪国の人じゃないので、雨道だっていやなのにもうごめんです。
二度と降ってくれるなああああ。
しかし夕べの寒さは、寒いは寒かったのですが、身に覚えのある寒さだからなのか辛くはなく、なんか…いやでした…。
読書したよ。
『愛したのは、「拙にして聖」なる者 漱石文学に秘められた男たちの確執の記憶』(みもとけいこ/創風社出版/2003年11月30日)
オビ「漱石・子規、そして虚子/『坊っちやん』の舞台、松山での/交錯した人間関係が/漱石の深層心理にもたらしたものはなにか。/新しい視点で読み解く/漱石文学の光と闇」
出版社が面白いです。「えひめに風を えひめから風を」というキャッチフレーズの愛媛の出版社です。著者は広島生まれですが、現住所が愛媛なので、愛媛なんでしょう。
前半は、私はどうも苦手な近代文学演習なのでのろのろ読んでいたのですが、後半は面白かったです。確執とか愛憎とかが面白かったです。
漱石ってなんで子規と友達なんだろう。
漱石は虚子に云わせると「紳士」で、「曲がつた事、曖昧な事、うそが嫌ひで、心の底から透明なやうな感じのする人」で、虚子は漱石に云わせると「松山的ならぬ淡白なる処、のんきなる処、気のきかぬ処、無気様(不器用・ママ)なる点」のある人で、漱石はそんな虚子が「先づ普通の人間よりは好きな方」で、著者に云わせればこの二人は似たタイプの人間であり、子規は「野心」という言葉が常日頃口をついて出る、「支配的で、名誉欲が強くて、性急で、気が利いて、器用」な人なので。
そうするとなんで友達なんだろうと、ちょっと考えた。子規が漱石と友達なのはいいとして。
もっとも、自分に似ているから好きとか、正反対だから嫌いってことにはならないと思うけども。似ていたら一緒に居るのは楽かもしれませんけど。それだけってこともあり得る。
どのみち漱石という人は、律儀で真面目で、そんでもって三人の関係だけ見ると、一番のんきでひどい人だと思いました。
『漱石とその時代』を読んでいても思うんですが、漱石ってずーっとぼーっとしてるんだもの。本人がぼうっとしてるんじゃなくて、心の居場所がぼんやりしてて、そこを抜けて明確な居場所を見つけたいという切実な思いもわかるんですけど、なんか…ぼーっとふらふらしてる感じが…するんだ…。
島田荘司の『漱石とロンドンミイラ殺人事件』から石岡君イメージがつきまとっているだけかも(笑)。
虚子は子規が旧友だし、尊敬する師匠だしで好きなんですが、何しろ会うと、勉強嫌いだって云ってるのに勉強しろなんで勉強しないんだってうるさいし、ちょっと煙たいです。漱石は会うと、礼儀正しい紳士だし、西洋料理の店とか連れてってくれるし(あんまりおいしくなかったけど)、手拭下げて「温泉に行こう」とか誘いに来るし、帰り道で俳句を読んでも感性バッチリだし、相性いいってゆぅかぁ、なんか、一緒に居て楽しいってカンジ? 子規はさぁ、時々、ちょーうざい。だから、勉強する気ないって云ってやったんだよね。そしたらなんか「今日限りでお前に対する忠告の権利も義務もなくなった」とか云って…さみしかったけど…ちょっとせいせいもしてて…でも、自分があの人を絶望させたんだって思ったら悲しくて。それでもあの人ときっぱり縁を切るなんて、ありえなーい。
ありえないのは私です、すいません。
なんか書いてたらつい(笑)。
でもねー、虚子ねー、なんかの回想録で、「いろいろな事があったが、結局子規は自分を子のようにかかえてはなさなかった、しかし漱石は自分を捨てた」とか書いているらしいのー。
かわいそうだ。
虚子の『子規居士と余』が面白そうです。虚子は漱石に云わせると純真無垢みたいな人ですが、子規先生の命をかけたお願いも、自分の性格には合わないと思えばきっぱり断る人なので、がんがんぶつかって血まみれな感じがして面白そうです。
でも子規は虚子が一番好きなのよ!お母さんがそう云った!
これ、むしろ小説で読みたい。別に実証してなくていいから。
あー。ひつじさんの気持ちがわかった(笑)。
漱石子規書簡集も手に入れよーっと♪
「降るにしたって雰囲気程度じゃないのー?なんと云ってもここは都会だ!」
そう信じていたオノレの浅はかさを思い知りました…。考えてみれば去年雪が降ったって恐れおののいていた山際だって大阪府の一部には違いない…。
なんか大阪というだけで隅から隅まで都会という気がいたしませんかー?都会は雪が降らないような気がしませんかー?24時間電車が走ってるような気がしませんか〜?
わたし、むかし、東京って24時間電車が走っているって信じてた。なんでって、都会だから。
真実を知って人は大人になるのね。
そんなわけで夕べは久しぶりに30キロで恐々原付運転しました。転びませんでした。主よ、わたしはやってのけました。
聞くところによると、雪国育ちの人は50センチの積雪の道をノーマル80キロで走ってひと冬に7回くらい死にそうになってこそ雪国育ち!
らしいですが、私はそこまで本場の雪国の人じゃないので、雨道だっていやなのにもうごめんです。
二度と降ってくれるなああああ。
しかし夕べの寒さは、寒いは寒かったのですが、身に覚えのある寒さだからなのか辛くはなく、なんか…いやでした…。
読書したよ。
『愛したのは、「拙にして聖」なる者 漱石文学に秘められた男たちの確執の記憶』(みもとけいこ/創風社出版/2003年11月30日)
オビ「漱石・子規、そして虚子/『坊っちやん』の舞台、松山での/交錯した人間関係が/漱石の深層心理にもたらしたものはなにか。/新しい視点で読み解く/漱石文学の光と闇」
出版社が面白いです。「えひめに風を えひめから風を」というキャッチフレーズの愛媛の出版社です。著者は広島生まれですが、現住所が愛媛なので、愛媛なんでしょう。
前半は、私はどうも苦手な近代文学演習なのでのろのろ読んでいたのですが、後半は面白かったです。確執とか愛憎とかが面白かったです。
漱石ってなんで子規と友達なんだろう。
漱石は虚子に云わせると「紳士」で、「曲がつた事、曖昧な事、うそが嫌ひで、心の底から透明なやうな感じのする人」で、虚子は漱石に云わせると「松山的ならぬ淡白なる処、のんきなる処、気のきかぬ処、無気様(不器用・ママ)なる点」のある人で、漱石はそんな虚子が「先づ普通の人間よりは好きな方」で、著者に云わせればこの二人は似たタイプの人間であり、子規は「野心」という言葉が常日頃口をついて出る、「支配的で、名誉欲が強くて、性急で、気が利いて、器用」な人なので。
そうするとなんで友達なんだろうと、ちょっと考えた。子規が漱石と友達なのはいいとして。
もっとも、自分に似ているから好きとか、正反対だから嫌いってことにはならないと思うけども。似ていたら一緒に居るのは楽かもしれませんけど。それだけってこともあり得る。
どのみち漱石という人は、律儀で真面目で、そんでもって三人の関係だけ見ると、一番のんきでひどい人だと思いました。
『漱石とその時代』を読んでいても思うんですが、漱石ってずーっとぼーっとしてるんだもの。本人がぼうっとしてるんじゃなくて、心の居場所がぼんやりしてて、そこを抜けて明確な居場所を見つけたいという切実な思いもわかるんですけど、なんか…ぼーっとふらふらしてる感じが…するんだ…。
島田荘司の『漱石とロンドンミイラ殺人事件』から石岡君イメージがつきまとっているだけかも(笑)。
虚子は子規が旧友だし、尊敬する師匠だしで好きなんですが、何しろ会うと、勉強嫌いだって云ってるのに勉強しろなんで勉強しないんだってうるさいし、ちょっと煙たいです。漱石は会うと、礼儀正しい紳士だし、西洋料理の店とか連れてってくれるし(あんまりおいしくなかったけど)、手拭下げて「温泉に行こう」とか誘いに来るし、帰り道で俳句を読んでも感性バッチリだし、相性いいってゆぅかぁ、なんか、一緒に居て楽しいってカンジ? 子規はさぁ、時々、ちょーうざい。だから、勉強する気ないって云ってやったんだよね。そしたらなんか「今日限りでお前に対する忠告の権利も義務もなくなった」とか云って…さみしかったけど…ちょっとせいせいもしてて…でも、自分があの人を絶望させたんだって思ったら悲しくて。それでもあの人ときっぱり縁を切るなんて、ありえなーい。
ありえないのは私です、すいません。
なんか書いてたらつい(笑)。
でもねー、虚子ねー、なんかの回想録で、「いろいろな事があったが、結局子規は自分を子のようにかかえてはなさなかった、しかし漱石は自分を捨てた」とか書いているらしいのー。
かわいそうだ。
虚子の『子規居士と余』が面白そうです。虚子は漱石に云わせると純真無垢みたいな人ですが、子規先生の命をかけたお願いも、自分の性格には合わないと思えばきっぱり断る人なので、がんがんぶつかって血まみれな感じがして面白そうです。
でも子規は虚子が一番好きなのよ!お母さんがそう云った!
これ、むしろ小説で読みたい。別に実証してなくていいから。
あー。ひつじさんの気持ちがわかった(笑)。
漱石子規書簡集も手に入れよーっと♪
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