月にかわっておしおきよ。
2005年11月5日 黙れと怒鳴りつけた後でも、わたしは誓って冷静だった。
「もう決めたんだ。きみの関知するところではない」
彼はもっと冷ややかな眼をしていた。
「どうして貴方にそんなことが云えるんでしょうね。私をここへ立たせておいて! 貴方が気紛れで事を為せば、私にはそれが破滅なんですよ。どうするおつもりですか。サー? 権力が阿諛追従の輩に膝を屈するのを目の当たりにして、義務が恐れて、何も云わないとでも思っていらっしゃるのですか? 宙佐が愚かさに身を任せるつもりになったのなら、口を挟むのが部下の名誉です。彼を手放さないで下さい、サー、どうか。軽々しいたった今の言葉を、すぐさま取り消して下さい。私の命にかけて云うんです。彼の”ヨール”が偽物だとは思いません。彼の声を聞いたでしょう? 空ろなこだまを響かせない低い声の持ち主が、心だけ空ろだなんて、そんなことがありますか」
「トリヴァー、命が惜しければ、もう何も云うな!」
こんな台詞は、せいぜい彼に鼻を鳴らされて御仕舞いになると知っていた。案の定その通りで、わたしは腸が煮えくり返った。
「命! 今さら私が惜しんだり、恐れたりするとでも? …もっと大事なものがあるでしょうに」
「もういい、出て行け、目障りだ!」
わたしは更に怒鳴りつけた。彼は背を伸ばし顎を上げると、手を腰に当てた。
「ノー・サー。私を貴方の視界から締め出すことなどできません。目障りなら尚更、お目にとどめていただきましょう、サー」
「トリヴァー宙尉、命令だ。神の御名において――」
「神の御名において申し上げましょう。どのように誓おうと、主は今の貴方の言葉になんか耳を傾けはしないでしょうよ」
「黙れ、無礼者! 冒涜の言葉を吐くな!」
おろおろと遣り取りを見守っていた者らが、わたしの激昂に驚いて何か云ったが、最早そんなものに注意を払ってはいられなかった。トリヴァーは眇めた瞳でわたしを見つめ、ふいとつまらなそうな顔になった。
「ご自分の医者をお殺しになるがいい。そうして疫病神に礼金を出すんですね。先ほどの言葉を撤回しない限り、私には、貴方は馬鹿だと云うことしかできません」
諦めたような彼の表情に、胸を締め付けられる。しかしそれも一瞬のことだった。
「そんな台詞は聞きたくない! 義務だとか、名誉だとか、そんな言葉を吐くだけの資格が自分にあると思うのなら、その資格にかけて聞いておけよ、トリヴァー! 貴様は俺に誓いを破らせようとした。誓いを、破れと云っているんだぞ…わたしに…」
わたしを見つめる彼の瞳はガラス玉のようになんの思いも浮かべてはおらず、涙まじりの弱い声になった自分が、情けなくて嫌でたまらなかった。
######
荒鷲版リア王。←ブーム
あのシーンをずーっと脳内リプレイ上演していて(しつこい)、まあ、考えるまでもなくこれはTNだなと。「あなた自身からもあなたを守ります」だなと。
しかしですね!
今書いてみて思ったんですけど。
あ。この次のリア王の台詞は艦長には似合わないというか云って欲しくないので飛ばすとしても。
このままいくのは私のできるTNではないなと思いました。
艦長が本当に窮地に陥ったところでは(イコール癇癪を起こしてきれるところ)、T氏が折れてくれないと〜。えとー、折れて欲しいんです、私が。
そのへんが「温情」なんかな、と思って。単なる願望かもな、とも思うよ!ええ!
…ま師匠あたりのTさんは折れなさそうだなー。これも願望かなー(笑)。
もうなんていうか、こんなんなりそう↓
「五日の猶予を与える。六日目には消えていろ。十日たってもわたしの視界に入るようなことがあれば、即刻死刑だ。いや、軍法会議の手間など省いて、わたし自身の手で殺してやる。退出せよ! 神の御名にかけて、きみの除隊は断じて取り消しはしない」
彼はわたしを睨みつけると、音高く踵を打ち合わせた。
「アイ・アイ・サー!」
さっと敬礼した後はためらうそぶりも見せず、部屋を後にした。
きゃああああ!!!冷たい!!冷たいよアンタ!!何様?!
と、私はこう、「何様?!」となるので、だめです(笑)。
だって!この後、艦長は落ち込むんですよ!そりゃもうどーんと落ち込みますよ!絶対!
わかってるんだから貴様のプライドなんかアタシの知ったこっちゃねーよ、阿呆〜!!
…この後もケントの行動をなぞるとすれば、それはそれでいいトリヴァーかもしれません。
しかしあんなことするだろうか、あの男が。
どうだろう〜。
「もう決めたんだ。きみの関知するところではない」
彼はもっと冷ややかな眼をしていた。
「どうして貴方にそんなことが云えるんでしょうね。私をここへ立たせておいて! 貴方が気紛れで事を為せば、私にはそれが破滅なんですよ。どうするおつもりですか。サー? 権力が阿諛追従の輩に膝を屈するのを目の当たりにして、義務が恐れて、何も云わないとでも思っていらっしゃるのですか? 宙佐が愚かさに身を任せるつもりになったのなら、口を挟むのが部下の名誉です。彼を手放さないで下さい、サー、どうか。軽々しいたった今の言葉を、すぐさま取り消して下さい。私の命にかけて云うんです。彼の”ヨール”が偽物だとは思いません。彼の声を聞いたでしょう? 空ろなこだまを響かせない低い声の持ち主が、心だけ空ろだなんて、そんなことがありますか」
「トリヴァー、命が惜しければ、もう何も云うな!」
こんな台詞は、せいぜい彼に鼻を鳴らされて御仕舞いになると知っていた。案の定その通りで、わたしは腸が煮えくり返った。
「命! 今さら私が惜しんだり、恐れたりするとでも? …もっと大事なものがあるでしょうに」
「もういい、出て行け、目障りだ!」
わたしは更に怒鳴りつけた。彼は背を伸ばし顎を上げると、手を腰に当てた。
「ノー・サー。私を貴方の視界から締め出すことなどできません。目障りなら尚更、お目にとどめていただきましょう、サー」
「トリヴァー宙尉、命令だ。神の御名において――」
「神の御名において申し上げましょう。どのように誓おうと、主は今の貴方の言葉になんか耳を傾けはしないでしょうよ」
「黙れ、無礼者! 冒涜の言葉を吐くな!」
おろおろと遣り取りを見守っていた者らが、わたしの激昂に驚いて何か云ったが、最早そんなものに注意を払ってはいられなかった。トリヴァーは眇めた瞳でわたしを見つめ、ふいとつまらなそうな顔になった。
「ご自分の医者をお殺しになるがいい。そうして疫病神に礼金を出すんですね。先ほどの言葉を撤回しない限り、私には、貴方は馬鹿だと云うことしかできません」
諦めたような彼の表情に、胸を締め付けられる。しかしそれも一瞬のことだった。
「そんな台詞は聞きたくない! 義務だとか、名誉だとか、そんな言葉を吐くだけの資格が自分にあると思うのなら、その資格にかけて聞いておけよ、トリヴァー! 貴様は俺に誓いを破らせようとした。誓いを、破れと云っているんだぞ…わたしに…」
わたしを見つめる彼の瞳はガラス玉のようになんの思いも浮かべてはおらず、涙まじりの弱い声になった自分が、情けなくて嫌でたまらなかった。
######
荒鷲版リア王。←ブーム
あのシーンをずーっと脳内リプレイ上演していて(しつこい)、まあ、考えるまでもなくこれはTNだなと。「あなた自身からもあなたを守ります」だなと。
しかしですね!
今書いてみて思ったんですけど。
あ。この次のリア王の台詞は艦長には似合わないというか云って欲しくないので飛ばすとしても。
このままいくのは私のできるTNではないなと思いました。
艦長が本当に窮地に陥ったところでは(イコール癇癪を起こしてきれるところ)、T氏が折れてくれないと〜。えとー、折れて欲しいんです、私が。
そのへんが「温情」なんかな、と思って。単なる願望かもな、とも思うよ!ええ!
…ま師匠あたりのTさんは折れなさそうだなー。これも願望かなー(笑)。
もうなんていうか、こんなんなりそう↓
「五日の猶予を与える。六日目には消えていろ。十日たってもわたしの視界に入るようなことがあれば、即刻死刑だ。いや、軍法会議の手間など省いて、わたし自身の手で殺してやる。退出せよ! 神の御名にかけて、きみの除隊は断じて取り消しはしない」
彼はわたしを睨みつけると、音高く踵を打ち合わせた。
「アイ・アイ・サー!」
さっと敬礼した後はためらうそぶりも見せず、部屋を後にした。
きゃああああ!!!冷たい!!冷たいよアンタ!!何様?!
と、私はこう、「何様?!」となるので、だめです(笑)。
だって!この後、艦長は落ち込むんですよ!そりゃもうどーんと落ち込みますよ!絶対!
わかってるんだから貴様のプライドなんかアタシの知ったこっちゃねーよ、阿呆〜!!
…この後もケントの行動をなぞるとすれば、それはそれでいいトリヴァーかもしれません。
しかしあんなことするだろうか、あの男が。
どうだろう〜。
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