ノーブレスオブリージュ

わたしも『リア王』をまた読み始めましたよ〜v＜かほさん
肝心のブツはまだ見てもいないのですけど。
3日がお休みだから、なんとか本屋へ行きたいものです。
かほさんとおんなじ岩波のを読んでいるのですが。
P24のケントが、そもそも私がほれ込んだケントとちょっと違うのが残念で仕方がない。
明日コピーしてきてここに打つから比べて読んで下さい。ケントの格好よさぶりと、リア王のきれっぷりが段違いなの。段違いなのよ！

今ふと。
うちにあのテキストなかったっけと思ったらあったから、打ちます（笑）。小6の国語テキストなんですけど、引用がいい加減で訳者がわからないの。
「陛下、しばらくお待ちを」のところから。長いけど読んで〜。格好いいから〜。云っても誰も同意してくれないんだよ〜（ガキめ）。

ケント　お待ちください、今日までわが王と尊敬し、わが父ともしたい、わが主人として仕え、わが大いなる庇護者として祈りのうちにあなたの名をとなえてきましたリヤ王ならば――
リヤ王　弓はひきしぼられた、矢おもてに立つな。
ケント　どうしてそれをおそれましょう。たとえ矢に心臓を射抜かれようとも！　リヤ王が狂えば、ケントは分別をすてなければなりません。どうするおつもりですか。ご老人？　権力がお世辞を使う人たちの手におちるのを目の前にして、義務がおそれて、何も言わないとでもおもっていらっしゃるのですか？　直言こそ臣下の名誉、主君がおろかなことに身をまかせてかえりみない以上、しかたがございません。何とぞ国土はその御手に、なお、よろしくお考えください。軽々しいただいまのおことばをただちにお取り消しになりますよう。わが一命にかけて申し上げます。一番末の姫君が情においても一番欠けているとは思いません。うつろなこだまをひびかせない低い声の持ち主が、心だけうつろであるはずはありません。
リア王　ケント、命がおしければ、もう何も言うな！
ケント　命とは、王の敵前になげ出すものとのみ考えてきたわたし、今さら、おしんだり、おそれたりはしません。お身の上の安全こそ何より大事。
リヤ王　さがれ、めざわりだ！
ケント、いえ、さらにお目にとどめていただきましょう。常にこのわたしをそのひとみの中においてください。
リヤ王　この上はアポロにかけて――
ケント　この上はアポロにかけて申し上げましょう。どのようにおちかいになろうと、神々はあなたのおことばに耳をかたむけはしないでしょう。
リヤ王　おお、無礼な！　この下郎！
アルバニーとコーンウォール　お腹立ちでもございましょうが、ここは！
ケント　ご自分の医者を殺しになるがよい、そして、やく病神に礼金をお出しになることだ。先のお約束をお取り消しにならない以上、こののどから声の出る限り、おろかな行為と申し上げるほかはございません。

このあと王様が癇癪をおこして「きさまはおれにちかいをやぶらせようとした」と言って、ケントを追い出しちゃうところもたいがいステキです。あっさり出て行くケントもステキ。

何が違うのかなー、と今比べてみたら。
ケントが「ですます」で話しているのが違うのかも。敬語はどっちも敬語なんですけども、こっちのケントの方が多分、慇懃無礼っぷりが存分に発揮されていてイカスのではないかと思いました！（笑）
そんなわけで楽しみです、高村リア王。