五條満腹。

2005年7月16日
五條瑛を二冊v

『上陸』(講談社/2005年4月25日)
オビ「ようこそ、密航天国へ。/同居しながら建築現場を渡り歩く金満、安二、アキム。どこにでもいそうなダメ男三人は、過去にある大きな秘密を抱えていた。」
「小説現代」に掲載された中篇6本を並べなおし、間に書き下ろしの、えー、なんていうんですか。つなぎ? が入っています。この順番で読めてよかったなあ。抱えている過去の大きな秘密は、最後になっています。ばーんとカタルシスがあるわけではない(ような気がした)けれど、こういう終わり方、すきだなあと。
あと、別に全部、派手な何かがあるわけではないのですけど、全部五條で良かったですよ。
五條と高村を比べてみるのが好きなんですけど、『地を這う虫』と比べると(短編集だから)、この「軽み」が五條だなあって思いますわ。かろみはあれよ。芭蕉が晩年に到達した文学的境地であって貶す言葉ではないですよ。
あー、高村。高村女王読みたいなあ。今何をなさっているのでしょう。高村が女だとまんま情念の世界になるような気がするので、男がいいなー。
って、未だに『晴子情歌』読んでませんけど。

『恋刃』(双葉社/3005年3月15日)
オビ「順風満帆だったサラリーマンが『謎の箱』を手にした瞬間、大きく人生が変わってしまった――。恋に身を焦がし、破滅していく男と女。時にそのエネルギーは革命すら起こしてしまう。そして、縺れた糸のその先には”あの人”がいる……。<革命小説>シリーズ第4弾。」
えーと、オビ、あんまり革命に拘らなくてもいいのに…。
今回はあまり革命は起こっておらず、中継ぎな感じでした。ファービーが広まっていく様子を描いたというのかなー。次はばーんと革命しそうですねー。←物が壊れそうだというくらいの意味
一番面白かったところは、”あの人”、ってなんか「名前を呼んではいけないあの人」みたいだなあ(笑)。
えー、例のあの人が亮司くんに栄養補給してたシーンです。電車の中で読んでいたので、顔がこわばって大変でした。あの、あの、あの人一体何がしたかったのか誰か私に教えて下さい。
時々やって来ては、あんなことだけしていくんだろうか…。リオウよりたちが悪いと思いました…。
あと、初っ端のアレって、あの人と和田氏なのでしょうか。あの、あの、あれって高度な暗喩かなにかなんですか。でも最後にばっちり認められていた気がするんですけど。誰か私にあれの意味を教えて下さい。
革命シリーズにしては地味だった(ような気がした)けれど、いろいろどきどきなお話でとても面白かったです。
世間の評判を探りにいこうかなー。だって難しいよ〜。だから初っ端のアレの解釈とかが…。

あ。
17日のやつ、しっぽの方が切れちゃった。文字数オーバーかな。
このバトンはここでゴールよvって書いただけですけど。
そして日曜日にまとめて日記を書いているわたし。

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