雪を踏む。
2005年1月8日『虚剣』
(須加しのぶ/集英社コバルト文庫/2005年1月10日)
表紙の裏の紹介文「両親から離れ、妹の琴とともに三河で暮らしていた少年・連也は、剣の才能を見込まれ、尾張新陰流の宗家である父に呼び戻される。妹とのつらい別れを耐え、一心に修行に励んだ彼は、『尾張の麒麟児』と言われるほどの剣豪に成長する。やがてその腕が認められ、藩主義直の息子・光友の指南役として江戸に下ることとなった連也だったが、そこには尾張柳生と敵対する江戸柳生の一族がいた…。」
表紙が麗しいですよねv
まんがやヤングアダルトノベルズの賑やかで可愛くて、どれもとっても目立つ表紙の新刊本の群れの中で、ひときわ綺麗で目を引きました。
しかし中身は最初のうち、とても地味だった。
尾張へ来たばかりの七郎兵衛時代は、兄様がたのエピソードが光っていたわ。
清厳兄上がなあ…。切なかったです。長男でありながら弟の天才を目の当たりにする苦悩…なんだけれど、それが清厳兄上の好きな絵とからめてあってね、書かれない分が切ないの。散り際が見事すぎて切ないの。
連也になってからは(仮にも少女小説のシリアス系主人公が「兵助」はあり得ないとの作者のこだわりにより十代でこの名前)、…え〜、静か?
麒麟児とか呼ばれているとの情報が本人にもたらされた時も、「なんだそれは」とか云って、素っ気無いし、まあ、…落ち着き? が見られる主人公です。
地味…かも…。昨今のヤングアダルトノベルス読者はレベルが高いと思う。私、これ、中高の時に読んだら多分、地味だなあとだけ思って面白がれなかったと思うのだけれども。
それにしても連也は、結構天然くんでわないかと思ったのですが。
光友様に「家光公ってアレなんだよ〜」とか云われて狼狽していたし。ラストの選択も、あまりに真っ直ぐな故に決せられたものではないのかとか思ったし(真っ直ぐは天然なんですか)。
そういへば、光友様すきです。いつかパパりんと闘うよね、絶対。熱血体育会系と見た。
背徳のかほりが最初からず〜っとあったのですが、連也様は堕ちませんでした。暗い道に踏み込むかのかと期待してどきどきしていたのになあ。なんと云いますか、こう、剣なのですよ。一筋、とか通り越して剣に清廉潔白なのですよ。
ちょっと汚してみたいとか思いました(夢見る少女じゃいられない)。
なんだかんだ云って、十兵衛さまとは真逆の道を進み始めた気がするのだけれど、十兵衛さま的にはあれで良いのかしら。…十兵衛さまも清廉潔黒だからいいのかもしれませぬ。
ここは宗矩よね。宗矩のうさぎのように臆病な心と、蛇のように執念深く、イタチのようにずる賢い性格に賭けるしかない。彼ならば必ずや連也をあんな目やこんな目に…ひっひっひっひ…。
えと、わたし、負け犬で屈辱まみれで劣等感が溢れ出していて卑怯者の宗矩がとっても素敵で…すきなの…。
宗矩はあれよ!偉いのよ!頑張ったの!柳生を大名にしたのよ!
なのにみんなに酷いこと云われてさ、すごくかわいそうなんだもの…。
宗矩はあれでいいと思います。ああでなければ宗矩ではないと思います(誤解)。
大河ドラマの武蔵の宗矩と兵庫助がとても好きだったので、ビジュアルイメージはあれです。ミキプルーンの人(なかえきいち?の親しみを込めたわたしの呼び方)(人の名前覚えられませんごめんなさい)の宗矩とても格好良かった。すき。姉さん僕は…の人の(高島さんの以下略)兵庫助も素敵で好き。
柳生はいいね。柳生はいいです。
続編で、連也を汚そうとするのに結局返り討ちにあって屈辱に打ち震える宗矩を書いて欲しい。だいじょぶよ、コバルト読者、間口が広いと思うもん。
隆慶一郎の柳生が読みたくなった。帰ったら読もう♪
(須加しのぶ/集英社コバルト文庫/2005年1月10日)
表紙の裏の紹介文「両親から離れ、妹の琴とともに三河で暮らしていた少年・連也は、剣の才能を見込まれ、尾張新陰流の宗家である父に呼び戻される。妹とのつらい別れを耐え、一心に修行に励んだ彼は、『尾張の麒麟児』と言われるほどの剣豪に成長する。やがてその腕が認められ、藩主義直の息子・光友の指南役として江戸に下ることとなった連也だったが、そこには尾張柳生と敵対する江戸柳生の一族がいた…。」
表紙が麗しいですよねv
まんがやヤングアダルトノベルズの賑やかで可愛くて、どれもとっても目立つ表紙の新刊本の群れの中で、ひときわ綺麗で目を引きました。
しかし中身は最初のうち、とても地味だった。
尾張へ来たばかりの七郎兵衛時代は、兄様がたのエピソードが光っていたわ。
清厳兄上がなあ…。切なかったです。長男でありながら弟の天才を目の当たりにする苦悩…なんだけれど、それが清厳兄上の好きな絵とからめてあってね、書かれない分が切ないの。散り際が見事すぎて切ないの。
連也になってからは(仮にも少女小説のシリアス系主人公が「兵助」はあり得ないとの作者のこだわりにより十代でこの名前)、…え〜、静か?
麒麟児とか呼ばれているとの情報が本人にもたらされた時も、「なんだそれは」とか云って、素っ気無いし、まあ、…落ち着き? が見られる主人公です。
地味…かも…。昨今のヤングアダルトノベルス読者はレベルが高いと思う。私、これ、中高の時に読んだら多分、地味だなあとだけ思って面白がれなかったと思うのだけれども。
それにしても連也は、結構天然くんでわないかと思ったのですが。
光友様に「家光公ってアレなんだよ〜」とか云われて狼狽していたし。ラストの選択も、あまりに真っ直ぐな故に決せられたものではないのかとか思ったし(真っ直ぐは天然なんですか)。
そういへば、光友様すきです。いつかパパりんと闘うよね、絶対。熱血体育会系と見た。
背徳のかほりが最初からず〜っとあったのですが、連也様は堕ちませんでした。暗い道に踏み込むかのかと期待してどきどきしていたのになあ。なんと云いますか、こう、剣なのですよ。一筋、とか通り越して剣に清廉潔白なのですよ。
ちょっと汚してみたいとか思いました(夢見る少女じゃいられない)。
なんだかんだ云って、十兵衛さまとは真逆の道を進み始めた気がするのだけれど、十兵衛さま的にはあれで良いのかしら。…十兵衛さまも清廉潔黒だからいいのかもしれませぬ。
ここは宗矩よね。宗矩のうさぎのように臆病な心と、蛇のように執念深く、イタチのようにずる賢い性格に賭けるしかない。彼ならば必ずや連也をあんな目やこんな目に…ひっひっひっひ…。
えと、わたし、負け犬で屈辱まみれで劣等感が溢れ出していて卑怯者の宗矩がとっても素敵で…すきなの…。
宗矩はあれよ!偉いのよ!頑張ったの!柳生を大名にしたのよ!
なのにみんなに酷いこと云われてさ、すごくかわいそうなんだもの…。
宗矩はあれでいいと思います。ああでなければ宗矩ではないと思います(誤解)。
大河ドラマの武蔵の宗矩と兵庫助がとても好きだったので、ビジュアルイメージはあれです。ミキプルーンの人(なかえきいち?の親しみを込めたわたしの呼び方)(人の名前覚えられませんごめんなさい)の宗矩とても格好良かった。すき。姉さん僕は…の人の(高島さんの以下略)兵庫助も素敵で好き。
柳生はいいね。柳生はいいです。
続編で、連也を汚そうとするのに結局返り討ちにあって屈辱に打ち震える宗矩を書いて欲しい。だいじょぶよ、コバルト読者、間口が広いと思うもん。
隆慶一郎の柳生が読みたくなった。帰ったら読もう♪
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