「それはわたしの技倆や能力の不足という意味ですか、それとも、わたしが精神的に病んでいると示唆なさるのですか?」
途端、ウブルー軍医の顔が苦悩に歪み、シーフォートは背筋を冷たい汗が伝うのを感じた。
「わたしは何も示唆してはいませんよ、ニック。ただ、資格なしとの理由であなたが自分を解任することを求めているだけです」
「能力不足の自覚はあります。しかし、それはわたしがわたし自身を解任する十分な理由にはなり得ません」
「…あなたの頑固さは病的よ、ニコラス・シーフォート。つまらない意地を張って、<ハイバーニア>200名の乗組員と乗客とを危険に晒したいのですか?」
差別するつもりはないが、こんな時はどうしても感じてしまう。女性は何故、皆こうも非論理的なのだろう――――。
マッカンドルーズ機関長もヘインズ操艦士も、同じことを望んでいるだろう。しかし口に出しては云えない筈だ。シーフォートは目を閉じた。
「わたしはマルストロム艦長の口頭による、ヴァクスの宙尉任官命令を聞きました。ウブルー・ドク、あなたも聞きました…」
彼女はきっと、自分を睨み付けていることだろうと思う。シーフォートの閉じた視界は真っ暗だった。
「二度とこんなことをあなたに対してほのめかしたりはしないとの命令を、わたしは受領しました。そして今、その命令に違反しました。わたしは自らの意思で営倉入りします」
「ニック…わたしは…」
シーフォートは両目を見開いた。軍医は泣きそうな顔をしており、操艦士は戸惑って他の二人を盗み見、機関長は無表情を保っていた。つまりはそれが士官委員会の総意なのだ。宣誓に反した自らの魂の痛みさえこらえれば、大勢にとって最良の選択だと云うわけなのだろう。
まだ十七だった。すべてをここに賭けた。おしまいになったキャリアは、人生の終わりを意味した。
「聞きたくありません、ドク。わたしは小細工を弄するより、祈りましょう」
「…………」
「あなたが教えて下さったように」
シーフォートは立ち上がり、指先でテーブルを弾いた。三人をぐるりと見回し、そして振り返りもせず機関長の私室を後にした。
怒りで腸が煮えるようだったし、絶望で目眩がした。未練で泣き出しそうだった。それでも足取りに迷いはなかった。
######
<ハイバーニア>でもしも、ヴァクスが艦長になっていたら…。
と、いうのは、VN者ならばにやにやしながら一度は考えることらしいです。あんなこともこんなことも、強制し放題ですものね!
そういうお話をキャッキャッv と喜びながら読んだ経験はあるのですが、自分で考えたことはなかった。シーフォートがいるのに艦長がV氏って変なカンジがするんだもんー(笑)。ただその一点で。
アタシの艦長はシーフォートだけなんだもんーv(愛)
でもちょっと考えてみようと思ったんだけど、「どうやったらそうなるのか」から考え始めてしまうところがわたくしの無駄なところなのだとは知っているけれどどうにもならないのでありますことよ。
だって、状況を整えないと気持ちが悪いんだもん!(そして整うと満足してそこで終ってしまう)(嗚呼…無駄だ…)
ウブルー先生は、わたくし大好きなので、変な役を振ってしまってソリー・マァムと思いましたです。時に身勝手ともとれる女性の振る舞いは、理屈よりも先に本能的に従うパワフルな生存能力の為せる業なのではないかと思われ、それに振り回されるのは結構好きだったり。
身勝手な男? 大嫌い(笑顔)。
途端、ウブルー軍医の顔が苦悩に歪み、シーフォートは背筋を冷たい汗が伝うのを感じた。
「わたしは何も示唆してはいませんよ、ニック。ただ、資格なしとの理由であなたが自分を解任することを求めているだけです」
「能力不足の自覚はあります。しかし、それはわたしがわたし自身を解任する十分な理由にはなり得ません」
「…あなたの頑固さは病的よ、ニコラス・シーフォート。つまらない意地を張って、<ハイバーニア>200名の乗組員と乗客とを危険に晒したいのですか?」
差別するつもりはないが、こんな時はどうしても感じてしまう。女性は何故、皆こうも非論理的なのだろう――――。
マッカンドルーズ機関長もヘインズ操艦士も、同じことを望んでいるだろう。しかし口に出しては云えない筈だ。シーフォートは目を閉じた。
「わたしはマルストロム艦長の口頭による、ヴァクスの宙尉任官命令を聞きました。ウブルー・ドク、あなたも聞きました…」
彼女はきっと、自分を睨み付けていることだろうと思う。シーフォートの閉じた視界は真っ暗だった。
「二度とこんなことをあなたに対してほのめかしたりはしないとの命令を、わたしは受領しました。そして今、その命令に違反しました。わたしは自らの意思で営倉入りします」
「ニック…わたしは…」
シーフォートは両目を見開いた。軍医は泣きそうな顔をしており、操艦士は戸惑って他の二人を盗み見、機関長は無表情を保っていた。つまりはそれが士官委員会の総意なのだ。宣誓に反した自らの魂の痛みさえこらえれば、大勢にとって最良の選択だと云うわけなのだろう。
まだ十七だった。すべてをここに賭けた。おしまいになったキャリアは、人生の終わりを意味した。
「聞きたくありません、ドク。わたしは小細工を弄するより、祈りましょう」
「…………」
「あなたが教えて下さったように」
シーフォートは立ち上がり、指先でテーブルを弾いた。三人をぐるりと見回し、そして振り返りもせず機関長の私室を後にした。
怒りで腸が煮えるようだったし、絶望で目眩がした。未練で泣き出しそうだった。それでも足取りに迷いはなかった。
######
<ハイバーニア>でもしも、ヴァクスが艦長になっていたら…。
と、いうのは、VN者ならばにやにやしながら一度は考えることらしいです。あんなこともこんなことも、強制し放題ですものね!
そういうお話をキャッキャッv と喜びながら読んだ経験はあるのですが、自分で考えたことはなかった。シーフォートがいるのに艦長がV氏って変なカンジがするんだもんー(笑)。ただその一点で。
アタシの艦長はシーフォートだけなんだもんーv(愛)
でもちょっと考えてみようと思ったんだけど、「どうやったらそうなるのか」から考え始めてしまうところがわたくしの無駄なところなのだとは知っているけれどどうにもならないのでありますことよ。
だって、状況を整えないと気持ちが悪いんだもん!(そして整うと満足してそこで終ってしまう)(嗚呼…無駄だ…)
ウブルー先生は、わたくし大好きなので、変な役を振ってしまってソリー・マァムと思いましたです。時に身勝手ともとれる女性の振る舞いは、理屈よりも先に本能的に従うパワフルな生存能力の為せる業なのではないかと思われ、それに振り回されるのは結構好きだったり。
身勝手な男? 大嫌い(笑顔)。
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