(堺屋太一/文春文庫/1993.4.10)
上巻裏表紙「豊臣秀吉の三歳違いの弟・秀長は史上類を見ない膨張を続けるその組織のなかで、経歴からいっても実績からいっても、万人が認めるナンバー2でありながら、自らの働きを誇ることなく、常に脇役に徹したまれにみる有能な補佐役であった。激動の戦国時代にあって天下人にのし上がる秀吉を支えた男の生涯を描いた異色の歴史長編」

どの辺りが異色かと申せば、秀長が主役なのに突出して残らない読後感でありましょうか。存在感が薄いわけじゃないんだけど。仕事が秀吉の動きに連動するものであり、秀吉の動きは信長様の考えに連動するものであるので、信長様と秀吉の話のようであったよ。
激しく怒ったり喜んだりしないの。なんだかとても妙な語り口でした。でもでも、面白かったです。

例によってまったく関係ないところで喜んでいた。
竹中半兵衛がサナトリウム系白面細身青年だったとは知らなかったわ(笑)。
信玄がすごいわ。「この男の五十二年の生涯は、詐術と粉飾と残酷な野心に満ちている」 カッコいい…v なんとなく好きなの、信玄。すぐ死んだけど(笑)。
あと、越後は物っ凄く雪深いのだなと哀しくなった。寒いと哀しくならない? 形勢有利でももうすぐ雪が降るとなると、当たり前のように越後へ帰って行くんだもん、謙信公。雪が降るから当分攻めてこないぞとか確信を持って云われているし…。
半農の兵を用いると農繁期に戦ができない。だから兵農分離の軍団を持った信長は強かった。というのはなるほどなーと思うんだけど、雪が降るから謙信は帰るぞ、当分来ないぞというのは、なんか…衝撃的でした…。

中華における「天高く馬肥える秋」という言葉は、稔り豊富で馬が肥えることによってモンゴル方面から異民族の騎馬隊が攻めて来るかもしれないという恐怖を伴う言葉なのだ、という説を読んだことがありますが、そういうのに素直に感動してしまう。
今週の”ザ・ホワイトハウス2”でも、ロシアの大使にバートレット大統領が、きみらはなんでそんなに厚顔無恥なんだ、図太いんだ、頑固なんだ、みたいなことを云う場面があった。「それはどこから来るんだ?」と聞かれてロシア人が、「ロシアの長く辛い冬ですよ、大統領閣下」と静かに返す。背中がゾッとしたわー。寒い所の人って…すごいね…。
エジプトへ援軍に行ったソ連が、サハラ砂漠でちっともアメリカ軍に勝てない。激怒するエジプト側に答えて曰く、「冬が来るから大丈夫です」「何?!」「雪が降ればソ連兵は無敵です」って話がありましたわねえ。

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時旅さんが「戦国無双というゲームのビジュアルが面白い」と書いてらしたので今、見に行ったら。
慶次郎!!!!(仰け反り笑い) 金髪のライオン丸!!!! メチャメチャかぶいている!!!! 光秀!!!! 光秀はアレじゃなくちゃイカンでしょう!!!!(狂喜乱舞)
ひー。笑いすぎて死ぬかと思った。
…ちょっと欲しくないですか、あのゲーム(指くわえ)。プレステ2かー。プレステでさえ二、三種類のゲームやって飽きたからなー。買っても使わないだろうなー。
DVDが見られたら買うんだけどなー。DVD再生機を買えばいいんだけどさぁ(笑)。

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