?『「面白半分」の作家たち―――70年代元祖サブカル雑誌の日々』
(佐藤嘉尚/集英社新書/2003.8.26)
表紙見返「七〇年代を象徴するサブカルチャー・マガジン『面白半分』は吉行淳之介、野坂昭如、開高健、五木寛之、藤本義一、金子光晴、井上ひさし、遠藤周作、田辺聖子、筒井康隆、半村良、田村隆一が交代で編集長を務めた。この雑誌の発行人だった著者は、吉行とパチンコをし、野坂と『四畳半襖の下張』裁判の被告席に座り、開高とキリタンポを食べ、五木と『日本腰巻文学大賞』を創り……十二人の文学者たちと、足掛け十年間雑誌を作り続けた。本書は、若き編集者だった著者が、魅力的な個性たちと共有した『面白半分』の日々を描いた実況ライブスケッチである。」
?『やってみなはれ みとくんなはれ』
(山口瞳 開高健/新潮文庫/平成十五年九月一日)
裏表紙「赤玉ポートワインで莫大な利益を得ながら、危険を冒して日本初の国産ウィスキー製造に取り組んだサントリーの創始者・鳥井信治郎。戦後の経済成長のなか、父親譲りの『やってみなはれ』精神で次々と新分野に挑戦しながら、念願のビール市場参入を果たした二代目・佐治敬三。ベンチャー精神溢れる企業の歴史を、同社宣伝部出身の芥川賞・直木賞作家コンビが綴った『幻のサントリー社史』。」
?『渋沢家三代』
(佐野眞一/文春新書/平成10年11月20日)
表紙見返「わが国に資本主義を産み落とし根づかせた栄一、それを継承し育んだ嫡孫・敬三。その狭間にあって廃嫡の憂き目にあった篤二。勤勉と遊蕩の血が織りなす渋沢家の人間模様をたどることは、拝金思想に冒されるはるか以前の『忘れられた日本人』の生き生きとした息吹を伝えることにも重なる。この一族は、なにゆえに『財なき財団』と呼ばれたのか。なぜ実業家を輩出しなかったのか。いま新たな資料を得て、大宅賞受賞作家が渋沢家三代の謎を解き明かす。」

イヤーッ!!!!
泣けます。泣きました。なんと申しますか、ひたむきに頑張るってすごいことなんだな、何かを作り出すってとても難しいことなんだな、でもやらなきゃ出来ないんだなって!(プロジェクトX系)
…当たり前ですが。当然のことが一番難しいし、単純なことが一番心を打つんだわ。
何を見てもげらげら笑っている時もあるんですが、何を見てもだらだら涙を流す時期というのがあるじゃん。今ちょっとそんなカンジ(情緒不安定)。
でもね〜、すごいのですよ〜。サントリー社史?は面白かったよ。我楽氏がサントリー贔屓なのでこんなん読んだかねと聞いたら「儲かった!」…もとい(似合うな)、「もう買った、そして読んだ」と即答。サントリー素敵。ジュンナマ万歳。
わたくしはどうも江分利満氏より開高さんが好みなんですけれども、佐治敬三との交流とかね、ね…うわああああん!(泣)
『開高健のいる風景』(菊谷匡祐/集英社)を合わせておすすめしたい。泣くから。
?だとフツウ、一代目の重圧に耐えかねて遊蕩に耽溺した篤二に魅かれそうなものですが、三代目敬三の生き方に秘めた狂気を感じた。諦観と忍耐の人生ではなかったのね、みたいな。
なんというのか、こう…かっこいいよねぇ…。

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