『読者は踊る』

2003年9月11日
(斎藤美奈子/文春文庫/2001.12.10)
書評です。おっもしろかった〜♪ 毒舌系の書評好き。褒めるより貶す方が難しいと思うのだがどうかしら。
これで、じゃあ俎上に上げられた本を読んでみようとは思わないんだけど、そーゆーのはレビューに任せておけばよいのであって、評が単独で面白いんだから十分満足。
あ、石原慎太郎『弟』は読んでみたいと思った。男が男の男たる所以を褒め称えあうというマチスモってメンタリティは、歴史的背景を持ってこそ様になるものであってデラシネのそれは気色悪いだけだって佐藤亜紀が云ってたような覚えがあるけど、マッチョマッチョ連呼されるという『弟』はどんなもんかしらんと思って。
マッチョと云えば毛ですが(?!)、ハーレクイン・ハンター・ガラク氏が、「濡場になると何故か胸毛やら腕の毛やらが突然出て来るのが最初慣れなかった」と云ってました。アタシも主人公がうっとり恋人の腕に抱かれるからこっちもうっとりしようかと思ったのに、胸毛がふさふさでヘソの辺りへ向かって細くなりつつうんぬんかんぬん書かれてて、急に現実に引き戻された覚えがある(笑)。出会いシーンで相手を描写する時に指まで毛が生えてますーて云われるのは納得しながら読むのだがな。
時と場所によって価値観が違うんだから当たり前なのですけど。国産小説で毛と男らしさを結び付けた描写って…恋愛小説や官能小説にはあるのかな。まともに読んだことないからアレだ(どれだ)。
何をイキナリ毛の話なんかし出したかというと、通販で除毛剤をやってたんだけど、それに毛深いことに悩む男性が出て来たの。それで背中とか胸とか脛とかつるつるになりましたと喜んでいたの。それにフィットネス系機械の使用説明をしてくれるボディビルダーみたようなムキムキの殿方はすべからくつるつるだ。
で、もしかしたら新しいヒーロー像は、つるつるになりつつあるのではなかろうかと考えたから。うーん…でも007は相変わらずもしゃもしゃしてるっけ。
で、マッチョで毛と云えばホルサーですが(オイ)、そんなこんなで胸毛ふさふさ=極度に男らしくてカッコイイとの認識が浸透しつつあるわたくしは、最近頭の中でヴァクスを脱がせてみるとき、胸に金の毛をたっぷり生やしている姿で想像するようになってしまった。腕にもたっぷり。指にもたっぷり。
…ま、素敵、ヴァクス、カッコイイ…v(重症)
艦長には生えてこないなぁ。今度生やしてみよう。…うーん、ムズカシイ想像だ。
とかまぁ、アタシみたいなのを「踊る読者」と云うらしい。毛の話じゃなく(笑)。うわーっと買って、うわーっと読んでは、ぶつぶつ何か云ってみるという読者のことを。

コメント