『陋巷に在り　9　眩の巻』

（酒見賢一／新潮文庫／平成十五年七月一日）
裏表紙紹介文「数々の恐怖と苦難の試練の果てに、?のもとにたどりついた孔子最愛の弟子・顔回。人間の生命力を吸い上げ、精神を窒息させる危険な場所・冥界。一刻も早い脱出が必要だ！　妖女・子蓉と?、そして顔回。冥界の掟に反し、三人そろっての帰還にあくまで固執する顔回に、子蓉は、三人を二人にし、二人を一人とする、驚くべき術を提案する。冥界の規則さえも欺く、奇想天外の第九巻。」

奇想天外の第九巻〜♪　なんかすごいオビがついてます。「正しき礼、それは悪しき呪術に打ち克つためのパワーだ！　呪術VS．礼　十年の歳月をかけ、多彩な資料を駆使した、渾身のスーパー・チャイニーズ・ノベル。」
酒見さんもう十年も書いてるのかぁ。すごいわ。それで孔子がまだ魯に居るってのが凄いわ（笑）。
今回は前半が九泉篇で、後半が魯に戻って孔子の権謀術数篇。どっちにも二択から三つ目の選択肢を捻り出しておいて、蓋を開けて見たらそれで成功したのか失敗したのかわかんないよという泣き笑い状況が用意されていた。途中ちょっと顔回を見直してやったのに、やっぱり駄目なのね顔回…と思わせて終わるとこが上手いなぁ。
うう〜、続きよみたい…（うずうず）。