(川浪春香/編集工房ノア/2002.7.15)

引っかかったところ〜。
P106「肉慾も、こんなふうに日向に晒してしまえば、腥(なまぐさ)くはなかった。」
つまり日の当たるところでやれば良い、と(…チガウ)。

P110「――茶碗に女体を再現する。」
枯れたもんやと思っとったのにえろう生々しいというか、…執念というか…。

P119「『なんで兄さんはそない食べること、好きなんどすか』
『阿呆やな、食べなんだら死ぬやろ』
     …
『人間、明日の命は知れへんもんや。これが最後やと思たら、一食かておろそかにできひん。なんでも命がけにならんと、生きてる甲斐がないやろ』」
藤三郎兄さんに10000点。

P141「『お気に入りの稚児の口を吸うたら、そんな味がしますやろ』」
蓮の実はそんな味がするらしいわ。どーゆー口説き方するんだろ、まったく。気障ねえ。

P151 八橋蒔絵螺鈿硯箱すきだわv
「酒を喰らい、男と戯れ、女との房事に熟達しても、鬱屈は晴れなかった。/放蕩をし尽くしても、一夜明ければ手応えさえないのである。/ただ、ものを作る時だけは違った。」
…真の芸術家ってのはそーゆーものなんだろうなぁ。

P201「『そやけど褒めてくれたのは、あんたひとりやで。』」
理解者が居るということは嬉しいことだ。
天才を理解できるというのは一個の天才だと思いません?

P210「世渡りを嫌い、陽の射さぬ山荘で葦編三絶の暮らしをしていれば、精神まで老いさびるのは当然だった。/学問は平安を与えはしたが、同時に生きる勢みとなる、どろどろした喜怒哀楽まで奪い去っていた。」
わからんでもないがわかりたくないというか、そうでもないような気がするというか、アタシも焼き物職人に頑張ればなれただろうか。←昔なりたかった

P212「平衡を失う心地よさと、崩壊した道徳のなかで、乾山の愛慾は初めて首をもたげる。」
一番無害そうに見えて一番あぶないじゃないのよ、乾山(涙)。

紅白梅図屏風の話が良かったわ〜。
もっと、兄の才に苦しむ弟が書かれているのかと思っていたのだけれど、どろどろじゃなくて「はんなり」ってカンジでした。京言葉のせいかな。
面白かったですv

四月が終わってしまいましたね〜。は、はやすぎない…?ど、どうしよう…(泣笑)。

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